私にとって一番苦痛な仕事とは、「同じことの繰り返し」です。作業的につまらないし、誰でもできることだからです。
ひたすら帳簿をPCに入力していくだけの仕事をしていた時は、「この会社にとって私は必要な人間ではないんだ。私の代わりはいくらでもいるんだ。」
という気持ちが常にあり、代わりはいくらでもいるっていう立場がけっこう苦痛でした。
でも制作の仕事をしていた時はとても楽しかった。
もちろん、会社という看板のもとで動いてることに変わりはないけど、このバナーは私にしか作れないし、このお客様は私のお客様だっていう意識がありました。
自分の担当してるお客様には、誰よりも満足してほしい!
そんな気持ちで仕事をしていたので、スキルが低くても誠意をもって精一杯のことをしていました。
だからお客様もとても喜んでくれて、その声がなによりうれしいものでした。
「いつも電話とメールのやりとりだけだから」と、長野から福岡まで遊びに来てくれたお客様もいらっしゃいました。
それくらい、お客様とは一度もトラブったことはないし、いい関係を築けていました。
あれから結婚、出産を経験し、しばらく専業主婦だったので、ずいぶんブランクがあったけど
今また制作の仕事ができるようになり、毎日がとても充実しています。
会社員として制作に携わっていた時は、すでに整った環境で仕事をスタートしたけど、今回は自分でゼロから構築していきました。
ネット・PC環境、人脈まですべてです。
十数年前とはずいぶん変わったWEB制作のあれこれ。
cssやphpなんて昔はありませんでした。
だから最初から勉強しました。
ゼロからスタートした仕事なので、今こうして軌道に乗れたことは幸せです。
そして、お客様に「素敵な作品をありがとう」と言ってもらえることが何よりもうれしい。
もちろん仕事をしてるのはお金のためだけど、こういう充実感がなければ続けることはできません。
お客様が満足してくれるものをちゃんと丁寧に作りたい。
だからできるだけ早く、量をこなすような仕事の仕方はしたくない。
2・3日で仕上げて!という案件だと、どうしても細部まで作りこむことはできません。
かと言ってダラダラと時間をかけても相手に迷惑がかかるだけです。
納品までの限られた時間をギリギリまで使って、いいものを作りたいという気持ちで仕事をしています。
自分がその作品と向き合うのは1週間くらいかもしれないけど、お客様にとったらしばらくずっと使うことになるはず。
だから、愛情をこめて作っています。
「物を作る人が一番偉い」
と、ダウンタウンの松本さんが言ってました。
この言葉、とても共感します。
ゼロから何かを作れることってすごいことだと思う。
プライドを持って、これからも制作という仕事を続けていきたいです。